現地時間9月2日(水)~12日(土)に開催される2026年の第83回ヴェネツィア国際映画祭。
今年は、コンペティション部門に是枝裕和監督の最新作『ルックバック』、塚本晋也監督の戦争ドラマ『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』の2本が選出。また、アウト・オブ・コンペティション部門に出品された三池崇史監督による初のドキュメンタリー『襲名』など、日本が世界に誇るフィルムメーカーたちが手がける多様な作品がラインナップされている。
第83回ヴェネツィア国際映画祭(2026)注目のノミネート作品
第83回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門のノミネート作品21本の中から、特に注目したい8本を紹介する。今年の金獅子賞(最優秀作品賞)を手にするのは、どの傑作か。昨年は、名匠ジム・ジャームッシュによるアンソロジー映画『ファーザー マザー シスター ブラザー』(2026年11月20日公開)が栄冠に輝いている。
『Ink(原題)』
今年の映画祭でオープニングを飾った『Ink(原題)』。トニー賞2冠の舞台を映画化した本作は、1960年代の英国を舞台に、メディア王ルパート・マードックと編集者ラリー・ラムが『ザ・サン』紙を国内トップへと押し上げていく姿を描く伝記ドラマだ。人間の生々しい感情を鮮烈に捉える巨匠ダニー・ボイルの手腕と、『28年後…』シリーズでの怪演も記憶に新しいジャック・オコンネルの演技力に注目したい。
『Ink(原題)』作品情報
■監督:ダニー・ボイル
■脚本:ジェームズ・グレアム
■キャスト:ジャック・オコンネル、ガイ・ピアース、クレア・フォイほか
イギリス/フランス/アメリカ/2026年/116分
『Bucking Fastard(原題)』
ケイト・マーラとルーニー・マーラが姉妹初共演を果たす『Bucking Fastard(原題)』。ドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツォークが描くのは、同じ言葉を同時に発し、同じ男と夢を共有する歪な双子姉妹の物語。実姉妹による濃密な化学反応と、コンペ部門への出品を熱望した84歳の巨匠が創り出す唯一無二の世界観に注目だ。
『Bucking Fastard(原題)』作品情報
■監督・脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク
■キャスト:ケイト・マーラ、ルーニー・マーラ、オーランド・ブルーム、ドーナル・グリーソンほか
アイルランド/アメリカ/2026年/109分
『ワイルド・ホース・ナイン』
ハリウッド屈指の性格俳優ジョン・マルコヴィッチ主演、『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督×サム・ロックウェルが3度目の黄金タッグを組む注目作。1973年、チリクーデター直前のイースター島を舞台に、CIAエージェントコンビが自身の過去や陰謀に対峙する。日本では、2027年1月29日(金)より劇場公開。
『ワイルド・ホース・ナイン』作品情報
■監督・脚本:マーティン・マクドナー
■キャスト:ジョン・マルコヴィッチ、サム・ロックウェル、スティーヴ・ブシェミほか
イギリス/アメリカ/チリ/2026年/118分
『もしもの愛』
2002年に『オアシス』で第59回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞した韓国の名匠イ・チャンドンが、8年ぶりの長編作品で帰還。2組の夫婦が、ドキュメンタリーの制作を通してそれぞれの人生や欲望と向き合っていく。日本では、一部劇場にて10月23日(金)公開、Netflixで11月6日(金)より配信開始。
『もしもの愛』作品情報
■監督・脚本:イ・チャンドン
■共同脚本:オ・ジョンミ
■キャスト:ソル・ギョング、チョン・ドヨン、チョ・ヨジョン、チョ・インソンほか
韓国/2026年/164分
『Bunker(原題)』

第93回アカデミー賞で2冠を獲得した『ファーザー』のフローリアン・ゼレール監督最新作。億万長者からシェルター建設を任された建築家の男。突如舞い込んだ野心的なプロジェクトは、男の17年にわたる夫婦生活を揺るがしていく。実の夫婦であるスペインを代表する名優、ハビエル・バルデムとペネロペ・クルスが、不安と疑念に満ちた現代のリアルな人間像を体現する。
『Bunker(原題)』作品情報
■監督・脚本:フローリアン・ゼレール
■キャスト:ペネロペ・クルス、ハビエル・バルデム、スティーヴン・グレアム、ポール・ダノほか
フランス/スペイン/2026年/126分
『ルックバック』
2024年にアニメ映画版が公開され、大きな話題を呼んだ藤本タツキによる同名漫画を是枝裕和監督が実写化。漫画によって人生の景色を一変させたふたりの少女の成長の記録を、東北の美しい四季の移ろいに乗せて丁寧に描き出す。いま最も注目を集める若手俳優、出口夏希と蒔田彩珠のケミストリーに期待だ。日本では、9月11日(金)より公開。
『ルックバック』作品情報
■監督・脚本:是枝裕和
■キャスト:出口夏希、蒔田彩珠、七瀬ふうり、岡田六花ほか
日本/2026年/100分
『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』
自ら主演を務めた2015年の『野火』を皮切りに、『斬、』『ほかげ』の3部作で戦争のリアルを突きつけた塚本晋也監督が、実話に基づく英語作品に挑戦。PTSDに苦しむベトナム帰還兵アレン・ネルソンが、退役軍人病院で出会った精神科医との対話を通して、戦争の傷痕と人間の尊厳と向き合っていく。日本では、9月11日(金)より公開。
『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』作品情報
■監督・脚本:塚本晋也
■キャスト:ロドニー・ヒックス、ジェフリー・ラッシュ、リリー・フランキーほか
日本/2026年/116分
『Primetime(原題)』
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』『オデュッセイア』など、話題作への出演が続くロバート・パティンソンが実在のテレビ司会者に扮する心理スリラー。舞台は、2000年代前半のアメリカ。クリス・ハンセンは“潜在的な犯罪者”を見つけ出す過激なリアリティ番組の司会者として時代の寵児となるが、やがて視聴率のために行動をエスカレートさせていく。日本では、2027年に公開予定。
『Primetime(原題)』作品情報
■監督・脚本:ランス・オッペンハイム
■キャスト:ロバート・パティンソン、メリット・ウェヴァー、スカイラー・ギソンド、フィービー・ブリジャーズほか
アメリカ/2026年/110分



